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映画『みんなの学校』の木村校長先生と、”これからの教育”について語り合いました。

2015.10.06


映画『みんなの学校』をご存知ですか?

大阪市住吉地区にある公立学校、「大空小学校」を舞台にしたドキュメンタリーです。
全校児童220名のうち、特別支援の対象となる児童数が30人を超える学校ですが、大空小学校では、すべての子どもたちが同じ教室で一日中学びます。

「すべての子どもに居場所がある学校を作りたい」

他の学校で不登校だった児童が、大空小学校にはたくさん転校してきます。
それでも、大空小学校は”不登校ゼロ”。
大空小学校は、特別な学校ではありません。どこにでもある普通の公立学校です。

大空小学校から多くのことを学び、被災地での教育に生かしたい。
10月4日、『みんなの学校』の上映会を女川小学校で実施され、木村泰子校長とのパネルディスカッションが行われました。

上映会の主催は、特別支援教育の後援組織「つばくろ会」、女川町の学校支援組織「女川子ども応援団」です。
つばくろ会は、特別支援教育の理念を、震災前より地域に根付かせる活動をしてきました。女川子ども応援団は、震災後より、学校を中心とした地域づくりのために作られた組織です。今回の上映会は、大空小学校の事例から多くを学び、また被災地の取り組みを知っていただく良い機会となりました。


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パネルディスカッションの内容を下記につらつらと書きます。

※ディスカッション中にお話ししたことですので、多少、正確ではない部分があるかもしれませんが、ご容赦ください。(文責:カタリバ 鶴賀)


【開かれた学校】

大空小学校には、たくさんの地域ボランティアの方々が授業のサポートをしています。しかし、地域の人と協働することは、学校教員にとって、口で言うほど簡単ではありません。

子どもがたくさん集まって活動しているのが学校なわけですから、アクシデントが起こることもあります。
程度の差こそあれ、日々アクシデントが起きているといっても過言ではありません。

そういう学校現場に地域の人が参画すれば、重箱の隅をつつかれるように、学校の至らなさを指摘される感覚を、少なからず教員の先生方は持っています。

木村先生はこう言います。
学校を、箱ではなくしてしまえばいい。学校は公共なので、みんなのもの。
学校の塀をなくしてしまうイメージで、パタンパタンと塀がなくなったら、”隅っこ”がなくなる。
そうすれば、だれも隅をつつかない。子どもたちを地域育てようと思ってくれる。
そうやって9年間やってきました。

生き方が多様化する社会で、学校に教育を丸投げしない。
私たちもNPO法人として引き続き実践していきたいと、気持ちを新たにしました。


【学力について】

特別な支援を要する児童たちと一緒に授業を受けることで、他の児童たちの学力を気になる方もいるかもしれません。

年に一度、全国の公立学校の学力を測る目的で、全国学力学習状況調査が実施されます。その調査の正答率において、大空小学校の学力は、全国的に見てもかなり高い位置にいることを伺いました。

教員の指導が行き渡った静まり返った教室で得た学力と、隣では違う勉強をやっている友達がいて、助けてあげながら、その中で得た学力と、どちらがこれからの未来に求められる力なのでしょう。

社会は騒々しくて、子どもたちの周りには、いろんな人たちがいます。排除などせず、多様性を認める方が学力が上がる。私たちは、多くのことを大空小学校の実践から学びます。

試写会は随時募集しているようです。興味のある方はぜひ!
http://minna-movie.com/index.php/

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