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臨学舎、3周年によせて(大槌臨学舎代表 菅野祐太より)

2014.12.29

臨学舎も4年目を迎えることができました。

「もう」3年たったと表現すべきなのか、
「まだ」3年しかたたないと表現すべきなのか。

「まだ」という気持ちもたしかにあります。
仮設住宅に依然として多くの生徒や多くの方が暮らしています。
町は土盛りははじまりましたが、復興の実感は未だに持つことは出来ません。
もう3年が経とうとしているにも関わらず。

子どもたちの学習環境も依然として厳しいものがあります。
元々、抱えていた地域の課題についてはまた今度触れたいですが、
被災をしたということが直接の要因になっているかもしれない事例もあります。
「大人が復興のために頑張っている横で、
 自分たちがわがまま言うわけにはいかない」
そう言って、自分の感情や気持ちを押さえてきた生徒もいるでしょう。
不登校率も依然として高いと聞きます。

まだ3年、まだ3年しか経たないのに、、

子どもたちには復興のこれからを考えるという重責が
のしかかってきているようにも思います。

しかし私たちは一方で、「もう」という気持ちもあるのです。
この3年間は本当に激動の3年間でした。

思えば2011年12月13日、
とても寒い、本当に寒い冬に臨学舎はオープンしました。

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「そんなに生徒は集まらないだろう」、私たちも含め多くの人が、そう思っていました。
「勉強したい、学びたいと思っている子は少ないから」
そう言われることも多くありました。

「たとえ10人でも学びたいという生徒がいればそれでいい」、そう思って12月13日に臨学舎をスタートさせました。
結果は信じられない形で裏切られました。10人でもいいと思っていた臨学舎に80人の生徒が来たのです。

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受け入れの方法ももう一度練り直しでしたが、本当に嬉しかったのを覚えています。

2年、3年、少しずつ受け入れることのできる生徒も増え、
保護者の皆様や大槌町にとって意味のある事業をしようと努力してきました。
受け入れることのできる子どもたちも、中二、中一、そして今年は小学生と、中学三年生しかいなかった臨学舎が高校生から小学生までいる場所に変わりつつあります。

臨学舎:小校生の様子②

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そして前述した重責も跳ね飛ばすぐらいのパワーで、私たちに、そして学びに向き合っている生徒もいます。

運営は、昔も今も本当に拙く、寄付者の方、地域の方、保護者の方の多くの支えの中で私たちは活動出来ています。
私たちの至らぬところも温かいアドバイスや応援で支援して頂いています。本当にありがとうございます。

4年目は、新しいフェーズに入ります。
ボランティアの方が少なくなり、寄付金が少なくなろうと、子どもたちの現状は変わりません。
ここが正念場。とより一層努力していきます。

ここで働かせて頂くことには本当に意味があると思っています。
声高に地方創生を発信するつもりもありませんが、今、大槌が迎えている現状、迎えている課題、
そしてそこから見つかる確かなヒントの種が、いつか日本全体がお手本としたくなるようなものになると信じています。

「賽(さい)は投げられた」と言いたくなるぐらい、もう目の前に起こること、起きていることに向き合うしかないという、この大槌で仕事が出来ることを幸せに思います。
大槌に住むみなさんと一緒に大槌の子たちが健やかに成長できるよう尽力していきます。

まだ3年、もう3年、様々な思いはあります。
ここが被災地というただの地方ではない場所であり、かつ他の地方でもまだ生まれていない先進的なことが次々に生まれてくるこの場所にいられることを嬉しく思います。

引き続き、放課後の学び場、大槌臨学舎をよろしくお願いします。

これを読む全ての皆さん、本年も本当にお世話になりました。来年も変わらぬご指導、応援をくださいますようお願いいたします。

2014年12月29日 大槌臨学舎代表 菅野祐太