はじめまして、コラボ・スクール採用担当の金森俊一と申します。
今は岩手県大槌町に住んで、日々子どもたちに勉強を教えたり、
職員やボランティアスタッフとして参加する仲間を募集したりする仕事をしています。
金型メーカーで働いていた私が、被災地に「転職」してきたのは2011年冬のこと。
1枚の写真に写った子どもの姿を見て、決して他人事とは思えなかったからでした。
私にとって当たり前だった環境が、被災地の子どもたちにはない。
もしかしたら私が彼らのような境遇になっていたかもしれない。
だから、今度は私がこの子どもたちが成長するのを、見守っていきたいと思ったのです。
コラボ・スクールとは、津波の被害が特に激しかった、宮城県女川町・岩手県大槌町で設立した、放課後の学校です。「震災があったから、夢をあきらめた」「志望校に行けなかった」といった悔しさを味あわせないために、学習指導と心のケアを行っています。
「町の復興のために、私たちもできることをしたい」
「支援される側を卒業して、自分が町や社会をつくる人になりたい」
震災から2年以上経って、このように話す子どもたち生まれてきました。
彼らの意欲を引き出し、未来の復興を担うリーダーへと育てるため、通常の学習指導のほか、キャリア学習やプロジェクト学習も取り入れています。
個人や企業からの寄付、そして行政からの事業委託などで運営資金は調達しています。
学校や教育委員会、保護者など地域の方々と連携して、全国から集まったボランティアの方々も学習をサポート。2012年度は、約400名の小中高生に学ぶ機会を届けられました。
子どもたちにも、地域の教育にとっても、欠かせない存在となって、3年目を迎えた今、私たちには大きな課題があります。
被災地に根を張って、長期的に子どもたちを見守る人材が不足しているのです。
コラボ・スクールでは、教務と運営・広報に分かれて、2校で約32名の職員・インターンが働いています。
「授業力の向上」と「子どもとの対話」の両方に、全精力を注ぐことができます。「自分の考えるオリジナルの授業を実施したい」「子どもと徹底的に対話し、押し付けではない生活指導・キャリア教育を行いたい」と考える人にとって、学習塾や学校と比べても魅力的な仕事です。
形のないものを形作り、自ら裁量を持って、事業を作り上げていく経験を得たい人には、ご自身のマネジメントスキルを活かせる仕事です。利益のためだけでなく、子どものため、社会のために事業を作っていく実感を得ながら、仕事に向き合っていただきます。
仕事はもちろん、楽しいことばかりではありません。
立上げ当初は、教室に寝袋を持ち込んで準備にあたったこともありました。今でも、急速に変化する環境のなかで、夜遅くまで働くこともあります。
子どもの成績がなかなか伸びなかったり、保護者の方からお叱りをいただいたりなど、辛いこともあります。被災地での生活は、都会と比べると不便な点もたくさんあります。
それでも子どもたちからの、保護者や地域の方々からの言葉を励みに、乗り越えられました。
企業などに務めながら、教育への想いを抱き続けていたスタッフが、「転職」して仲間に加わってくれました。
優秀なスタッフは、1年目から中心メンバーとして活躍しています。
まっすぐな目で授業に臨む子どもたちに魅了され、入社を決意
一度きりの人生、「これを創って良かった」というものを創りたい
教育現場に身を置き、やりたいことは「教育」だと再確認
被災地への「転職」は、社会的な動きとして、さまざまなメディアでも報道いただきました。
コラボ・スクールは、「上司にマニュアルを教えてもらうこと」を期待する方には、成長できない環境かもしれません。 一方、仕事を任せられ裁量を持ち、「自ら現場を動かす経験」を求める方には、十分に活躍できる舞台を用意しています。
教員や塾講師での経験をもとに活躍する職員もいますし、コンサルティング会社や広告代理店でのビジネススキルを活かす方もいます。必ずしも教育関係の業務の経験は問いません。
採用にあたって重視しているのは、価値観の一致です。私たちのクレド(行動指針)を紹介します。
クレド 「カタリバの約束」(抜粋)
コラボ・スクールは、設立からまだ3年にも満たない学校です。
これから成すべきことも、改善しなければならない課題もたくさんあります。
子どもたちの未来を、生まれたばかりの事業を、主体性をもって育てていく。
このように強い気概をもった方と一緒に働きたいと、私たちは思っています。
志に共感いただいても、「NPOで」「被災地で」働くのには、さまざまな心配をする方もいます。
入社を希望される方からよくいただくご質問への回答を紹介します。
勤務地 | 宮城県女川町または岩手県大槌町 |
---|---|
勤務時間 | 13:00~22:00 |
雇用形態 | 原則、同じ条件で2年間の継続雇用 ※継続雇用の可能性あり |
給与 | 200,000円~
※当社規定により経験・能力を考慮し、面接・面談後に決定 |
休日休暇 | 週休2日、夏期・年末年始 |
応募資格 | 高卒以上 ※新卒・第二新卒ともに受け付けます |
採用予定人数 | 4名 |
コラボ・スクールを運営するのは、認定特定非営利活動法人 NPOカタリバ。
2001年の設立以来、教育活動を行うなかで、11年に「ハタチ基金」事業としてコラボ・スクールを設立しました。
名称 | 認定特定非営利活動法人NPO カタリバ |
---|---|
設立 | 2001年11月(2006年9月に法人格取得) |
本部 | 東京都杉並区高円寺南3-66-3 高円寺コモンズ2F |
役員 | 今村久美(代表理事)、岡本拓也(常務理事)、酒井穣(理事)、中原淳(理事)、 井上英之(理事)、長谷川勇紀(理事)、久保田克彦(監事) |
2013年には運営組織及び事業活動が適正であることなど一定の要件を満たし、東京都から「認定NPO法人」として認定されました。
行政・企業などたくさんのステークホルダーと教育課題の解決に取り組んでいます。
個人にとって転職は、また組織にとっても採用は、大きな決断です。双方にとって、最良の決断になるように、カタリバでは応募者の方々との「対話」に重点をおいて面接させていただきます。
1 | 書類選考 | 履歴書・職務経歴書をお送りください。フォーマットは問いません。現スタッフからの紹介の際は、書類選考を免除します。その理由は、スタッフの友人の場合、「カタリバとの親和性が高いケース」が多いからです。 |
---|
2 | 1次面接・ 適性テスト |
人事担当者との面接です。カタリバという組織との親和性と基本的な業務スキルが選考ポイントとなります。クレド「カタリバの約束」 と「仕事内容」について、事前の確認をお願いします。適性テストは、教育者としての最低限の資質を確認するWebテストです。 |
---|
3 | 2次面接 | 入社後、上長になりうるディレクタースタッフとの面接です。応募者の方が「いままで何をしてきたのか」「カタリバで活躍できるか」の2点について話をする時間がメインとなります。応募者の皆様も、わからないことは積極的に質問していただき、「実際の業務内容」をイメージする機会として活用ください。 |
---|
4 | 3次面接 | 事業部長との面接です。NPOカタリバは「生き抜く力を、子ども・若者へ」を理念に活動しています。“あなた”の考える、“あなた”の生き抜く力を教えてください。 |
---|
5 | 最終面接 | 代表理事・今村/事務局長・岡本との最終面接になります。ここまできたら、採用用件は満たしているという判断ですので、細かいことは考えずに、“思いの丈”を正面からぶつけてください。この面接後、採用の方には内定通知をお送りします。 |
---|
応募プロセスが長いと感じられるかもしれませんが、被災地で働くことをきちんと吟味していただき、「こんなはずではなかった」ということが起きないように、採用プロセスを設計しています。
※応募者の方の現住所によって、スカイプでの面接を随時実施しております。
スケジュール(目安)
震災の経験を、“悲しみ”から“強さ”に
私たちと志を同じくする方と一緒に、子どもたちが安心して学べる場所を守り、未来の復興を担う子どもたちを育てていきたいと思っています。ご応募をお待ちしております。