10年後の自分へ

大槌臨学舎を卒業した中学3年生が書いた、
「10年後の自分へ」と題した手紙を紹介いたします。

2013年3月、女川向学館・大槌臨学舎の中3生32名が上京しました。人生の先輩たちと出会い、同世代との対話のなかで“復興”を考え抜き、そして大きく成長するための5日間。合宿研修“やくそく旅行”です。この旅行のテーマは、「震災復興のために、いま私たちができること」1日目から3日目までは支援してくださった方に感謝を伝え、社会で活躍するイノベーターや高校生・大学生・同世代との対話を通して、自分の未来、今できる事を考え抜きました。
そして4日目に、発表会として寄付者の方など皆様の前で、「震災復興のために、いま私たちができること」を発表しました。その中の参加者の一人の「十年後の自分へ」の手紙をご紹介します。


今、この手紙を読んでいる君は何をしていますか。どこにいますか。誰といますか。十年後だから、私はもう25~26歳になっているでしょう。でも15歳の今の私には、将来(今日読んでるこの時)のあなたが何をしているのかもどこにいるのかも誰といるのかも、全然まったく少しも予想がつきません。なぜなら、私は中学生活最後のこの「やくそく旅行」で、自分には、とてつもなく大きな無限の可能性が広がっているということを学んだからです。

今日の午後行うプレゼンのために、とても辛く大変なことが多い旅行でしたが、とても良いプレゼンができそうです。どんなプレゼンをしたか覚えていますか?
一昨日に聞いたヤマト運輸の松本さんから聞いた“まごころ宅急便”から、注目される世代(ターゲットだけに注目するのではなくて、新たな視点から、陰の部分にいるような人たちに光や希望を与えること、そして昨日の「BIG ISSUE ビッグイシュー」というホームレスの方々を支援する方々やホームレスの方々を見て感じた「立ち上がらない人」と「立ち上がる人」と「立ち上がることを支援する人」の立場があること。これらのヒントを参考に、“今、復興について、私たちができること”は大槌のためにはたらく大人達に「ありがとう」と「頑張れ」を言うことだと確信しています。

何が正解で何が間違いなのか、15歳の今の私にはわからないけれど、でも、今はこれでいいかなと思ったりもしています。なぜなら、たくさんの意見があるからこその世の中だからです。
この3~4日間でとてもたくさんのことを学びましたが、
どの方も自分なりの独自の考えがあって、信念がある、そんな人達ばかりでした。だから、25~26歳の君にも、何でもいいから何か1つだけ、信念(できれば例がないような大きなことで、誰も考えつかないような、私にしかできないこと)を持って、その達成に向かって歩んでいてほしいと望んでいます。

考え方とか夢とか、全然変わっているかもしれないし、
過去の自分にあれやこれやと言われるのは嫌かもしれないけど、今、3月20日、この時の私は、ぜひ将来の自分が誰かのために役に立つことをしていることを願います。 そして何よりも自分がやっていてやりがいを感じること、楽しいと思えること、その職業を自信を持っていること、そんなことが達成できていたら、喜びます!笑 でも、自分ならできると思います。だから、諦めるな!立ち向かって、くじけてもくじけても何回も立ち上がって頑張って前を向いて!
君の向かう先にはきっと明るい未来が待っています。
そして何より、その未来を作るのは自分です。
それがこの約束旅行を通して学んだ一番のことです。
こんな考えを持っていた自分のこと、どうか忘れないでください。