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津波の記憶を伝えるために。

2013.2.12

2月9日(日)、吉田優作くんのMY PROJECTが一歩前進しました。

優作くんが目標としているのは
「今後起こる震災によって犠牲となる命を一人でも減らすこと」。

〜以下、優作くんの企画書より〜
震災の記憶を後世の人たちに伝えるために4年に1回新しい碑に立て替えて、
立て替えるという行為を震災の記憶を忘れないという
文化にしていきたいと考えています。
石の碑だと立てて数年経ったらその地域の風景の一部になってしまいます。
実際震災前は僕自身も石碑には目もくれずに生活していて、
石碑に気づいていればもっと多くの人が救えたと思います。
だからどれだけ思いを碑に込めても誰も見てくれなければ
ただの建造物になってしまいます。
木の碑は新しいものに替えるという行為事態が風景にとどめない、
その地域の文化になって震災を知らない子供たちや
他の地域から移り住んできた人たちに伝承することにつながります。
碑に書くメッセージはその地区の人たちが考えた言葉を掘ります。
地区の人たちが一番伝えたいことを伝えていきたいと思います。
自分はこれから大槌に住んでいく震災を知らない子供たちが、
自分たちのように大切な人を一瞬でたくさん失う辛さを
体験してほしくないという思いがあります。
でも僕たちは不死じゃなくていつかは死んで
震災を語る人がいなくなってしまいます。
そのために言葉や碑に残してそれを受け継がなければいけないと考えました。
安渡古学校地区からこの活動を広め、震災の思いを永遠に残し、
後世の子供たちにいつまでも笑顔でいてもらいたいと思っています。
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はじめに碑を建てる地として選んだのは「安渡古学校地区」。
途中から高台になっているこの地区は、
津波が来たエリアと流されなかったエリアがくっきり分かれており、
在宅(家が残った)の方々と仮設住宅の方々が半々くらいの割合で暮らしています。

平均年齢は65歳と、年齢層の高い地区ですが、
被災直後から地区の皆さんで協力し合い、
「古学校地区ふれあいドームの会」を立ち上げました。

被災当初は、在宅ということもあり、
支援物資もなかなか届かず大変だったそうですが、
地区の皆さんで協力して乗り切ったそうです。
落ち着いてからは、お茶っこの会、
花壇や畑作りなど、自主的に交流の機会をつくっています。

今回交渉をしに行ったのはドームの会を立ち上げた、
町内会長の小國さんと、道又さんです。

実は、一週間前に交渉に行ったところ、
高齢者ばかりだから、
何年かに一回という文化を根付かせるのは難しい、
と町内会長さんに断られているこの企画。

この日は企画書を持っての再チャレンジです。

緊張しながらも、改めて企画の主旨と、
地区の皆さんにお願いしたいことを説明します。

たどたどしくも、一生懸命さが伝わってか、今回はOKが出ました。
ほっとして、笑顔がこぼれます。

やるとなったら、今度はスケジュールの話。

3月11日まで一ヶ月。ここから急ピッチで準備をしていかなければいけません。

早速、碑を建てる場所も下見をしました。

ドームの会で整備している花壇の隅に設置させていただけることになりそうです。

次回は地区の皆さんを集めて、碑に彫るメッセージを話し合うことになりました。

交渉は成功したものの、ここからが本番です。

メッセージを考えるための話し合い、
碑を建てるためのお金集め、業者さんへの発注、、、

3月11日まで、やることは山積みです。

未来の子どもたちの笑顔のために、がんばれ、優作。