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『大槌のために働きたい 大槌高校卒コラボスタッフの想い』

2021.6.24

 大槌も6月に入り、少しずつ暖かい日が増えてきました。
 今月のブログでは、前月に引き続きコラボスタッフの紹介をしたいと思います。
 今回紹介するのは大槌町の吉里吉里出身で、大槌高校の卒業生でもある東谷いずみさんです。

 昨年度からコラボで働いていましたが、今年からは母校である大槌高校の県外留学生募集のお仕事も始めました。
 彼女の生い立ちと、今大槌で働く想いについてお聞きしました。

 

■大槌町での思い出はどんなものがありますか?


(東谷さんが生まれ育った吉里吉里の写真)

 子どもの頃の大槌のイメージは、「人と人との距離の近い温かい町」でした。まるで、みんなが家族のようでした。子どものころは、実家が民宿をしていたこともあり、夜になると地元の方や遠くから来たお客さんたちによく遊んでもらいました。たくさんの人とのつながりを感じながら大きくなりました。

 特に夏は大好きでした。学校帰りにそのまま吉里吉里海岸に行き、海に潜って遊ぶのが日課でした。また、祭りの時期になると、地域の手踊り団体に入って夕方ごろから大人も子供も一緒に練習をするのがとても楽しかったのを覚えています。地区ごとに様々な踊りがあって、他の団体の踊りを見るのもとても好きでした。


(小さなころによく遊んでいた吉里吉里海岸)

 中高生になると、部活三昧の日々を送っていました。バレー部に入った私は、朝練、昼連、放課後、夜練と本当に一日中バレーをやっていました。高校では、バレー部の部長になり、メニューも自分たちで考えて夢中になってバレーに打ち込んでいました。

 実は、今年になって数回、現役の大槌高校バレー部の練習に参加させてもらっています。町内に残っている昔のバレー仲間を誘って、お手伝いをさせてもらっています。久しぶりに高校の体育館でバレーができて、懐かしさと嬉しさを感じています。


(高校時代の写真)

 

■大学時代の思い出はどんなものがありますか?

 正直、高校2年生のころは、進路のことはほとんど考えていませんでした。しかし、その年に震災を経験し、東北で人の役に立つお仕事をしたいと思うようになり、福祉の勉強ができる宮城の大学に進学することを決めました。

(カンボジアでのスタディーツアーで訪れたフリースクールでの写真)

 

 大学時代一番の思い出は大学2年生のころに入ったサークル活動です。このサークルでは「ストリートチルドレン芸術祭」という活動をしていました。毎年子どもたちから絵を募集し、それを著名な芸術家や芸能人の方に選考してもらい一つのチャリティーカレンダーにまとめるという活動でした。そこで集めた収益はストリートチルドレンの支援に当てています。


(サークルの友達との写真)

 人の役に立ちたい、様々な世界に触れてみたいと思っていた私は、この活動に夢中になりました。3年生の頃には大切な仲間や先輩の方々に背中を押され代表として活動をしていました。同期の仲間たちに支えられ、充実した活動を行うことができました。

 

■社会人の思い出はどんなものがありますか?

 もともと大学卒業後は地元で何かやりたいと思っていました。まずは自分の力をつけるために、宮城県の石巻で復興支援系の活動をしていました。そこでの活動を通して、やはり自分の地元のために働きたいという想いが強くなり地元で活動する手段を探していたところ、大槌の隣町である釜石市で起業支援の制度を見つけ、自分の力を試すためにゲストハウスに挑戦することにしました。


(ゲストハウスのオープニングイベント)

 初めてのことばかりで不安なこともありましたが、釜石で出会った皆さんの温かく、時に鋭いアドバイスのおかげで今もゲストハウスの運営を続けてこれています。自分自身のマイプロジェクトとして成長するきっかけとなりました。

 そして、昨年コラボ・スクールの菅野さんに声をかけてもらい、母校である大槌高校で、大槌の子供たちのために働くことを決めました。

 

■コラボで働く理由は何ですか?

 正直、大槌のために何かしたいと思ってはいましたが、今までの人生で触れたことのない教育に関わることに大きな不安を抱えていました。コラボ・スクールに対しても、勉強を教える場所というイメージが強く、教育のことを何も知らない私が関わっていいのだろうか?と、不安を超えて怖さすら持っていました。

(大槌で活動する東谷さん)

 

 しかし、入ってみると全く違う印象を受けました。コラボ・スクールは、子どもたちだけではなく、地域に暮らす若者や、大槌町全体をどんな町にしていきたいか?という視点で事業が運営されていることを知りました。理想の町を実現するために「教育」という切り口で活動をしている人たちがいることを知って、面白さと安心感を感じました。

(臨学舎のメンバーとの集合写真)

 

■コラボで取り組んでいることを教えてください!

 私がコラボで取り組んでいる業務は大きく分けて「大槌高校の魅力化に関わるお仕事」と、「コラボ・スクールでのお仕事」の二つです。

 大槌高校の魅力化に関わるお仕事として、「おおつちはま留学」の広報担当をしています。大槌高校では今年から「おおつちはま留学」という制度を利用して県外留学生が1名入学しています。私は、広報担当として日本中にいる一人でも多くの人に大槌の学びを知ってもらいたいです。


おおつちはま留学の特別ページです!高校生向けのイベントもご用意していますので、ぜひのぞいてみてください!

 

 また、今年入学した県外留学生の生活サポートのお仕事もしています。健康管理から保護者との連絡など、おせっかいな町のお姉ちゃんのような存在として留学生の成長を見守ります。留学生の彼女が卒業するときに「大槌に挑戦してよかったな」と思えるように一生懸命サポートしていきたいと思います。


(高校生とゲームをしている様子)

 

 もう一つがコラボ・スクールでのお仕事です。コラボ・スクールでは、中学生の自律学習サポートをしています。人生で一度も先生という役割をになったことがなく不安だらけですが、生徒一人一人が自分の目標をもち一生懸命に勉強をする姿をみて、私自身も何かを学んでみたいと思うようになりました。大槌の子どもたちの成長に関わることができて嬉しいです。


(自律学習プログラムの様子)

 また、今年からの新事業として若者向けのプロジェクトにも関わらせてもらっています。コラボ・スクールは今までは中高生の居場所として活動してきましたが、これからは地域の様々な方がコラボ・スクールを利用し、多くの出会いが生まれる場にしていきたいと思っています。今年の目標は一人でも多くの方に足を運んでもらうことです。そして近い将来、大槌で活躍する若者が増えていき、大人たちも生き生きしている町にしていきたいと思っています。


 ※7月に地域の大人対象のイベントがあります!記念すべき第一回は韓国人のゲストの方を招いてオンラインで韓国を旅するイベントです!
 ▶申し込みはこちら

 

■終わりに

 東谷さんのお話を聞いて、自分が生まれ育った大好きな大槌町のために何かしたいという強い意志と、自分を含めた若者たちが活躍できる場所を町の中に増やしていきたいという想いを感じました。また、行動し続けている東谷さんの姿はかっこいいなと感じました。今年から始まった若者事業もぜひ楽しみにしていてください!