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【ましき夢創塾】熊本地震から一年、14歳の決意

2017.4.07

こんにちは。熊本・益城町から井下友梨花がレポートします。


益城町内の新中学3年生を対象とした1泊2日の合宿「阿蘇大自然の中で自分のこれからについて考え抜く2日間」を、2017年4月1日〜2日の日程で開催しました。

参加者は新中学3年生16名に加え、宮城・島根・東京・大分・熊本から集まった高校生・大学生を含むボランティアスタッフ(以下、「センパイ」)17名の総勢33名。

参加中学生たちは合宿の最後に行う「立志の会」で、「14歳の決意」を発表することになっています。そのため、この2日間はそれぞれどんな思いを発表するか、考え抜くことを目標に過ごしました。


▲集合時に、最後に「14歳の決意」というテーマで作文を発表してもらうことを伝えました。私自身、中学3年生のときに「そろそろ将来の事考えたほうがよさそう」と何となく思った時期がありました。どうやって生きたらいいか、どう生きていきたいか、考えた末に出たのは「どうせなら楽しく生きる」ということ。このときの決意が今に影響していると感じています。今回は一緒に考える機会にしましょう、と最初に参加者へメッセージを送りました。


益城町から、バスで阿蘇草千里まで向かいました。

▲まずは、全員で杵島岳の登山。5つの班に分かれ、リーダーを決めました。


▲中学生は「下山したら『14歳の決意』というテーマで作文を書いてもらいます」と朝の集合時に告げられ、それぞれ何となく考えながら山を登りました。


▲歩みが進むにつれ、センパイと中学生との距離も少しずつ縮まり、表情も穏やかに。頂上では一緒にお弁当を食べました。


▲下山後、東京からボランティアとして参加した女子聖学院高等部2年生の3名と引率の先生が合流。東京で集めた寄付金を持ってきてくれました。


▲まずはそれぞれが自分で考えた「14歳の決意」を原稿用紙1枚に書きました。


▲その後、熊本出身の大学生2名より、人生グラフを活用して自分が中学時代どのように過ごしていたかの話がありました。


▲中学生はセンパイとともに人生グラフを活用して自分のこれまでを振り返りました。「14歳の決意」を述べるためにも、自分自身を振り返るのは大切な作業です。最初はほとんど言葉にすることができなかった中学生たちでしたが、センパイに質問されながら、自分の中で大きかった出来事、これから大事にしていきたいことなどを一つひとつ確認していました。


▲夜通し振り返り、朝になって再び作文にまとめる中学生たち。徐々に自分の言葉でこれからについて語れるようになってきました。


▲立志の会に備えて、発表の練習もしました。


阿蘇神社へお参りにも行きました。阿蘇ジオパークガイド協会の方に阿蘇神社についてご案内してもらいました。

▲それぞれ考え抜いた「14歳の決意」を胸に、お参りしました。


とうとう「立志の会」の時間になりました。会には保護者の方や関係者があわせて15名ほどが観覧しました。益城町教育委員会課長補佐の坂本文隆様より来賓の言葉を頂戴した後、2日間の振り返りムービーを見ました。

▲一人ひとり「14歳の決意」を発表。観覧してくれた保護者の中には涙ぐむ方も。


▲最後の集合写真。清々しい表情をしていました。

ある生徒の「14歳の決意」です。
「私は将来のつきたい仕事が決まっていません。いつ決めるかもわかりませんし、どの高校に行けばいいかもまだ全然わかりません。
でも、私には困っている人を助け、寄り添いながら支えてあげる、そんな人になりたいという思いがあります。
私がこう思うようになった理由は、中学1年生から中学2年生にかけてお世話になった先生に助けてもらい、支えてもらい、初めて私もこんな人になりたいという人に出会えたからです。自分のことを励まし応援してくれる人が、一人でもいれば頑張れるんだなと思いました。
今は自分が行きたい高校、したい仕事が決まっていなくても、人のことを大切にできる人に一歩でも近づけるように自分らしく、少しずつでも頑張って行きます」


これからの一年間が、さらに楽しみになる機会となりました。
企画の相談をさせていただいた木山中学校の先生方には心から感謝しております。

▼「立志の会」の模様は2017年4月3日付の毎日新聞にもご紹介いただきました。
【メディア掲載】毎日新聞に掲載 ~被災の益城・木山中、新3年生16人が「立志の会」 夢や目標発表~