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女川へ9年間通い続ける 国語教師の物語 ~高校受験に立ち向かう生徒たちへ~

2020.2.12

いよいよ高校入試も来月に迫り、受験モード真っ只中の中学3年生。
そんな中学3年生の元へ、今年も心強い味方がやってきてくださいました。

関西の塾で国語を指導されている「水津 勝朗先生」です。
東日本大震災後に立ち上がった女川向学館の初年度である2012年1月から、毎年欠かさず受験生たちのために女川に訪れてくださっています。今年でなんと、9年目となります。(2012年当時にご指導してくださった様子のブログ記事はこちらです。)

水津先生が女川に滞在される一週間は、授業時間を目いっぱい使って国語の入試対策特別授業が実施されます。普段はなかなか手につきにくい国語の解法のポイントを丁寧に、また関西弁で明るくご指導くださいます。

今回のブログでは、水津先生の女川向学館との出会いや関西から女川へと毎年訪れてくださる理由、また9年間を通して感じた女川町や子どもたちの変化などを伺いました。

■ 2012年から毎年女川を訪れてくださっていただいていますが、女川向学館へ来るきっかけは何だったのでしょうか?

2011年に体調を崩したため、前の職場を退職した直後に震災が起こりました。自分自身が「この先どうしようか」と考えていたタイミングでの震災に、ボランティアとして被災地に向かいたいという気持ちはあったものの、「病人が行って、何の役に立てるのか。」と思い、足を止めました。

転職先でもある現在の職場では、中学受験の指導をしています。関西の中学受験は、例年1月の第三週目に実施されます。受験指導にひと段落をつけ、休みを取ることができるのが第四週。遊びに行くのもいいが、せっかく時間が取れるのだから何か被災地でできないか、自分の専門を活かすことが出来る授業をするボランティアがないか、と探していたところ、女川向学館と出会いました。これをきっかけに、女川へ足を運んで9年目となりました。

■ 女川の町や女川向学館、子どもたちの第一印象はいかがでしたでしょうか。

とにかく忙しそう、という印象があります。当時はスタッフも一週間単位で入れ替わっていたようです。生徒も、もちろん震災直後ですので、落ち着きがなかったように思います。毎日がてんやわんや、という感じでした。私自身としては、とにかく邪魔にならないように、と意識していたことを覚えています。

■ 毎年、この時期に「女川を訪れよう」となるのは、どういった思いがあるのでしょうか。

普段の向学館は数学・英語の授業で国語を教えられるスタッフがいないということで、初めて授業をしたときに、生徒たちに予想以上に喜んでもらえたんですね。また、初年度の特別授業を終えて女川を去る際に、あるスタッフに「来年もまた来てください。」と言われたんです。そのとき、「また来ます!」と答え、それから毎年この時期になるとこの約束を思い出し、また女川に行こうか、と連絡をしています。彼の一言がなければ、こんなに毎年女川を訪れるなんてことはなかったかもしれませんね。

■ 女川に9年間通い続けるなかで、何か変化はあったでしょうか。

毎年来るたびに、町の環境が良くなってきていると感じています。最初の方は関西から女川へと新幹線や車を使って移動をしていましたが、次第に新幹線から飛行機が使えるように、ついには女川まで車ではなく電車で来れるようになりました。女川向学館の近くにあるスタッフの寮で寝泊りをしている際に、電車が通る音が聞こえてきたときには感動しました。「ついに来たか!」と。それまでは線路はあったものの、電車が通ることはなかったんです。女川向学館の目の前にあった運動場に立つ仮設住宅も撤去されましたね。新しく橋を作っている様子も目にしました。来るたびに、女川の良い変化を感じています。


■ 女川向学館に通う生徒たちの変化を感じることはあるでしょうか?

子どもたちの変化は、特に感じていませんね。女川の子どもたちもそれぞれに事情があるとは思いますが、全員同じ、高校受験に立ち向かっている様子が伺えます。特に、国語の特別授業は選択して受けてもらっているので、生徒たちのもうひと踏ん張りしたい、頑張りたい、という気持ちを強く感じています。

一方で、関西と女川では子どもたちの雰囲気の違いは感じていますね。実は初めて向学館に来た時の授業で大失敗をして…。関西では、自分を落として生徒の笑いをとることで、子どもたちとの距離を縮めていたんです。その調子で向学館での授業に臨んだところ、大スベリしました(笑)。 女川には、先生のことは笑っちゃいけない、という雰囲気があったんですね。その翌年からの授業では、笑いの取り方を変えていきました。もう9年目になりましたからね。女川の雰囲気にもすっかり慣れました。

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3月の高校入試に向けて、受験勉強もラストスパートにかかっています。これまで女川向学館で友達と、スタッフと学んできたこと、また各地からたくさんの方からの応援を支えに、それぞれが自分の実力を存分に発揮できるよう最後まで全員で受験に立ち向かいます!

一人一人の夢に向かって、よき一歩を踏み出せるよう、女川向学館全員でがんばっぺし!

【説明会実施中!】教育課題にとことん向き合う1年間 『実践型教育インターン』

活動場所は、宮城県女川町・岩手県大槌町、福島県双葉郡、島根県雲南市、熊本県益城町、東京都足立区、東京都杉並区。子ども、地域、自分ととことん向き合い成長したい方、募集しています。