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大切な居場所を、夢を叶える場所へ~震災当時小学1年生だった子どもたちの挑戦~

2020.3.19

ついこの間まで雪がちらついた宮城県女川町も、梅の花が咲く暖かさになりました。
新型コロナウイルスの休校措置により女川向学館もオンライン開校となっていますが、
オンライン上の教室には今日も子どもたちが学びを求めて自主的にやってきます。
今回は高校入試の合格発表をむかえた中学3年生たちの様子をお伝えします。

今の中学3年生は、震災のあった年に小学校へ入学した子どもたちでした。

震災の被害で町自体の機能が麻痺していた中、学校の場所が変わったり、町内の他の学校と統合したり、担任の先生が年度の中で代わったり……。
そんな学ぶ場所も暮らす場所も落ち着かない状況でも、子どもたちは学び、家族や友達と思い出を作り、たくさんの人とふれ合う中で将来の夢に出会ってきたようです。

 -津波の被害にあっても、漁師になる夢を諦めなかった子-
 -大切な家族を守りたいという意志で将来就きたい仕事のために進学校を志望した子-

これまで子どもたちと関係性を築く中で、そんなあたたかい想いに触れることが何度もありました。
今年の中学3年生は、震災を通して感じたことを普段の生活や自分の将来に繋げることができる、そんな強さのある学年です。

震災後、町の復旧工事を進める様子

女川向学館には小学1年生のころから通っている、という筋金入りの子もいます。

これまで向学館外の方とのイベントや探求の授業を行ってきて、女川向学館は子どもたちにとって勉強以外のことにも挑戦できる居場所となったようです。年を経て、子どもたちを見守るスタッフは代わっていきますが、今の中学3年生はどんなときもほとんど授業を休まず、授業がない日もスタッフと話をしに向学館を訪れていました。

小学校低学年のころの授業の様子

昨年度行われた探究授業の様子

中学3年生に進級してからは学校行事や部活動など先頭に立つ機会が増え、一致団結して物事を乗り越えてきました。
しかし受験にむけてコツコツ準備していくのには気持ちが向かないこともしばしば。テストの結果や高校の判定が出るごとに不安になったり、この勉強が自分の力になるのか信じられず手を止めてしまいそうになったり。
そんなとき何度もスタッフと面談し対話をくり返しながら、3月の受験に向けて挑戦を続けてきました。

そして1月には全員で高校受験を乗り越えられるよう、高校受験が子どもたちによってよりよい学びの機会になるよう、改めて気持ちを新たにする決起集会を行いました。

これまでに女川向学館で活動したスタッフや、地域の方々にご協力いただいたビデオメッセージの上映に続き、保護者のみなさんが応援メッセージのプレゼントを作ってくださいました。

子どもたちは、たくさんの人から応援されてるんだと実感した様子。
今度は、自分を励ますためのメッセージを色紙に書いて、クラス全員の前で発表しました。
真剣に仲間を思い合って応援する子どもたちの様子が印象的でした

これを機に、これまでは居場所だった向学館も、勉強に本気で挑戦できる場所へと徐々に変わっていきました。

毎日授業後に残って自分で選んだ教材や過去問に取り組んだり、
コロナウイルスの休校措置になってもオンライン上での自習室に初日から勉強するために参加したり。
子どもたちの本気にスタッフも最後まで応援しきる体勢を整えて望みます。

そして高校入試当日。
向学館のスタッフは、子どもたちの志望校へ見送りに行き、とにかく激励の言葉をかけました。
子どもたちは緊張気味でしたが、やる気に溢れた表情をかえして高校へと向かっていきました。

待ちに待った合格発表の日には、子どもからの報告の電話で職員室がにぎわいました。

「聞いて!合格したよ!」

今年一番の弾む声で報告してくれた子どもたち。スタッフみんなで電話を囲んで報告を聞き、これまでの頑張りをお祝いしました。子どもたちはスタッフの労いを照れながらも嬉しそうに受け取っており、高校入試を通して大きな自信や学びを自分自身で受け止めているようでした。

高校受験を乗り越えてさらに夢への一歩を踏み出した、中学3年生たち。
もうすぐ女川向学館からも旅立つ、別れの季節となります。

4月から新たに始まる高校生活も、彼らの挑戦も成長も心から応援しています!

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