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『子どもたちの人生を豊かにするきっかけを届けたい!新スタッフ稲葉将大さん』

2022.5.27

~まえがき~

皆さん、こんにちは!コラボ・スクール大槌臨学舎です。いつも、コラボ・スクールの活動を見守り・応援していただきありがとうございます。

今月もブログを担当させていただきます、スタッフの高木桜子です。

3月にインターン生も含めスタッフ3人が旅立っていった大槌臨学舎では、4月から新しく魅力的なスタッフが加わり、雰囲気が大きく変わった形で新年度がスタートしています。今月のブログでは、今年の3月まで中学校の教員をしており、4月からコラボ・スクール大槌臨学舎に加わった稲葉将大(しょうた)さんについて紹介させていただきます。

Q1,大槌にきてみての感想を教えてください!

まだ1ヶ月しか経っていないのですが、大槌は居心地が良く、大好きな場所です。桜が綺麗に咲いている場所が近所にあるのですが、その周辺を散歩していると地域の小学生が元気に挨拶をしてくれたり、おじいさんが「見ごろだな〜」と声を掛けてくれて対話が生まれました。地域の大人も子どもたちもすごく素敵で、こんな人たちが住む大槌だからこそ、震災の大変な状況を乗り越えてここまで復興して来ることができたんだろうな。と感じています。

Q2, どんな学生でしたか?

中学生の頃は、何事もまじめに取り組んではいたものの、なかなか一歩前に進みきれない生徒だったと思います。中学2年生の時、学年主任の先生が、「あなたはこのクラスのエースでしょ?もっとできるよ!」と声を掛け続けてくれて、学年をまとめるリーダーの1人になるよう背中を押してくれました。その経験は自分が成長できたと感じた大きな出来事でした。このように自分の可能性を信じ続けて声を掛けてくれる先生の存在があったことで、「誰かのためになる仕事をしたい。特に子どもの人生をより良くするきっかけを与えられる先生になりたい。」と思うようになりました。

サッカー部に所属していた稲葉さん

Q3,前職では何をしていましたか?

前職では、北海道の根室市の義務教育学校で中学校の先生を4年間していました。出身は静岡県の河津町ですが、慣れ親しんだ場所ではなく、新たな場所で社会人としての経験を積みたいと思い、大学卒業後は北海道で過ごすことを決めました。

安心して過ごせる学級、学力向上など教員によってそれぞれ目指すものは違っている中で、私自身が大切にしていたことは、学校の中で完結する学びや経験ではなく、その先の子どもたちが社会に出た時に自分自身の生活を豊かにしていけるようなキャリア教育でした。子どもたちが主体的に進路を選択していくためには、様々な知識、考え方、価値観を持ち、広い視野で将来について考える必要があると思います。その経験・学びができるような場所を作りたくて、生徒にとってロールモデルとなりうる大人との出会いの機会を届けることに力を入れていました。

Q4, 実際にどんな出会いの機会を生徒に届けましたか?生徒の反応はどうでしたか?

中高時代の友人(看護師、歯科医)、元々アナウンサーで現在北海道で地域おこし協力隊として活動している大学時代の友人、また地域の方を対面やオンラインで繋げ実際に働いている大人の話を聴く機会を作りました。修学旅行の中で、宇宙ロケット開発に取り組んでいる植松努さんと繋いだこともありました。実際に働いている方の生の声や経験談を聴いたこと、その大人との出会いがきっかけで「考え方・価値観が変わった。」「諦めていたことがあったけど挑戦してみたい。」という生徒の変化を見ることができました。当時担任をしていた生徒16人一人一人が生き生きとした表情で耳を傾ける姿をみて、ロールモデルとなる大人との出会いは大切だと改めて感じました。

Q5, カタリバにきた理由を教えてください!

教員として働くなかで、子どもたちが豊かな人生を築けるようにするためには、「今の自分だときっかけを与えきれない、伝えられることが少ない。」と感じていました。自分自身がもっといろんなことを経験して、足りていない部分を補うためにも学校の外に出て学ばなければいけないと考えるようになりました。そんなときにルールメイキングプロジェクト事例発表を聴き、カタリバに出会いました。

※ルールメイキングプロジェクトとは?

カタリバは提供しているプログラムの一つで、生徒が主体となって校則やルールの見直しに取り組むもの。

詳しくはこちら!

転職先を考える時に大切にしていたことは「環境によるきっかけ格差を無くすことができる仕事」でした。発展途上国の支援なども考えていましたが、日本でできないことはないのかと考えた時にカタリバの活動が自分のしたいことに合っていたので、カタリバへの転職を決めました。

Q6, これからの意気込みを教えてください!

大槌の子どもたちに、新しい学びや経験、人や職業、価値観との出会いとそのきっかけを届けていきたいです。今までの自分を振り返っても、その出会いが人生をより良いものにしてくれたと思っています。次は私自身が、そのような出会いを届けられる存在でありたいと思います。

また、災害時の子ども支援を行うsonaeruという事業の兼務をしています。そこでは、子どもたちが災害をきっかけに夢や目標を失ったり、学びたいことやしたいことを諦めることがないよう、対話を通して子どもたちのニーズを理解した支援をしていきたいです。それに関しても、東日本大震災後から復興に向けて取り組んでいる大槌でこれから活動したり、地域の方々と関わる中で、何かヒントを見つけていくことができるのではないかと思っています。

~あとがき~

「子どもたちが人生を豊かにしたり、自分の未来にワクワクしながら生きる力になりたい。そのきっかけとなる出会いや価値観を地方や被災地に届けることで、環境によるきっかけ格差を無くしたい。そのためには、自分自身がもっと成長したい」と学校教育の外に飛び出し、カタリバへの転職を決めた稲葉さん。臨学舎の中では、子どもたちの可能性を信じ、よりよい学びに繋げるためにはなにができるだろうと、生徒の心に寄り添って対話をしている姿が印象的です。

稲葉さんを迎え入れて大槌臨学舎一同、これからも大槌町のたくさんの中高生と関わり、新しい知との出会いや自分自身の価値に気付けるきっかけを届けていきたいと思っています!