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先生と女川~漁師町の心意気

2011.11.01

向学館で小学5・6年生を担当している鈴木典子先生は、女川町東部・雄勝半島の浜「桐ケ崎」に住んでいます。出身は隣町の石巻で、桐ケ崎の漁師の家に嫁ぎました。

女川は漁業が盛んです。鈴木先生の家は、定置網漁を営んでいます。主に、カツオのエサとなるカタクチイワシを捕っています。ほかにも女川では、ホタテ、カキ、海のパイナップルといわれるホヤ、銀鮭の養殖や、天然のウニ、アワビが捕れ、豊かな海産物を全国へ出荷してきました。しかし、地震による津波で、船や網、工場、自宅は流されました。

地震前、鈴木先生は漁を手伝いながら、自宅で学習塾を開いていました。漁師町の生活リズムは独特で、深夜2時ごろに漁に出るために保護者が子どもを送迎できないこともあります。そんなとき鈴木先生は自ら子どもたちを送迎して、「漁師町の生活スタイルに合わせた塾」として地域に根付いていました。

鈴木先生は「漁師さんたちは、とっても元気。海を相手にしてきたから、こんな時も強いんだっちゃ」と言います。浜では漁再開に向けて、漁師さんたちが毎日、護岸の整備や浜の清掃をしています。
向学館に通う子どもたちも元気いっぱい。逆境にへこたれない漁師町の強さなのでしょうか。