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被災地での “ナナメの関係”

2015.6.19

NPOカタリバは2001年11月、当時大学生だった今村久美と三箇山優花が立ち上げた。
その時から明確な事業計画を持っていたというよりは、「今、動き出したい」という思いからだった。

今村は岐阜県高山市出身で、大学に進学する生徒はほとんどいない高校の出身。
三箇山は東京都立のいわゆる進学校出身。

ふとしたきっかけで2人が知り合い、自分たちが置かれてきた教育環境に対する違和感を語り合う中で、“カタリ場”という構想が生まれた。
複数の大学の学生が集まる合同合宿に参加したが馴染めず、旅館を抜け出し、江の島の海岸で2人、朝まで“カタリ場”をしたのが最初だそうだ。


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“カタリ場”の授業を担うのは、「キャスト」と呼んでいる大学生や社会人のボランティアスタッフたち。
親や先生ではない、友だちでもない、ちょっと年上の先輩との「ナナメの関係」が、高校生にとって、非日常の対話の場となる。
あれから14年が経ち、18万人以上の高校生にカタリ場プログラムを実施してきた。


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2011年、被災地の子どもたちに足りなかったのは、日常の学び場と、話し相手だった。
本当に多くのボランティアスタッフが、NPOカタリバの東北復興事業に参画してくれた。

被災していない私たちが、児童・生徒たちと面と向かって話をすることに、最初は戸惑いばかりだった。
だが、心許せるちょっと年上のお兄さん・お姉さんとの対話は、「ナナメの関係」として、ここ被災地でも求められていた。


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「震災のことが心の中で整理ついていなかった」と、数年経って話してくれた生徒がいた。

「家が流された人と残った人。家族を失った人とそうでない人。友だちの中でも状況が違うから、友だち同士で震災のことを話すことは避けていた。親も大変そうだったから、悩みの相談はできなかった」

震災から4年が経ったが、学校の保健室の先生と話すと、「保健室に相談に来る子は、話を聞いてあげて対応することができる。だが、一見普通そうに見えて、実は悩みを抱えている子に対しては、何もしてあげられていない」と聞く。

コラボ・スクールでの生徒との対話の中で、深刻な悩みを打ち明けてもらい、未然に防げた問題もあった。


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14年前、江の島の海岸で構想した“カタリ場”は、高校生が未来を肯定的に捉え直す“きっかけ”を作るプログラムだった。
女川町・大槌町でのカタリ場は、児童・生徒たちの“声なき声”に耳を傾け、対話を通して、目の前の課題と共に向き合っていく日常の居場所となった。

教育行政もその価値を認め、これから数年のコラボ・スクールの運営について、積極的に検討を行っている。ナナメの関係と居場所が必要なのは、東北だけだろうか。
NPOカタリバは次の構想を練る段階に来ている。

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