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【被災地・大槌より】東京から6人のしくじり先生がやってきた!被災地の中学生へ届けるメッセージ

2018.11.09

 

岩手県大槌町にて認定NPO法人カタリバが運営する、子どもたちの放課後の学びの場と居場所「コラボ・スクール 大槌臨学舎」。

秋は1年の中でもイベントがたくさんある季節です。

町のお祭り、学校の定期テスト、そして文化祭と子どもたちは忙しい毎日を過ごしています。

 

 

■6人の「しくじり先生」がやってきた!

 

そんな中、「秋のガイダンス」が先日行われました。

季節ごとに開催する「ガイダンス」とは、勉強のこと、楽しいこと、悩んでいることなど、子どもたち1人ひとりがカタリバのスタッフとじっくり向き合う時間。

 

でも、今回のガイダンスはいつもと少し違います。

緊張している子どもたちの視線の先には、いつものスタッフだけではない、初対面のお兄さんやお姉さんがいます

実は、東京や大阪から6人の「しくじり先生」がやってきました。

「しくじり先生」とは、自分の失敗談やそこから学んだことを話してくれる人たちです。

 

 

大槌臨学舎の中学1、2年生たちは今、勉強や友人関係、部活など、たくさんの悩みを抱えています。

「しくじり先生」の方たちの、

中学生の頃に経験した「しくじった経験」「それを乗り越えた経験」に興味深々です。

 

 

あるしくじり先生は、部活のチームワークに悩み、勇気を出して仲間と話しあい、チームの雰囲気がよくなったことを話してくれました。

 

 

別の方は、勉強についていけなくなったとき、ごまかさずに「分かること」「分からないこと」を把握するのが大切だと気付いてから、勉強が楽しくなったことを話してくれました。

 

 

自分のしくじった経験をさらけ出し、教訓として子どもたちに熱く語るしくじり先生たち。

その真剣な姿勢を受け、子どもたちもじっと聞き入っていました。

 

 

■しくじり先生の話を聞いて、自分の行動をみつめる

しくじり先生の話を聞いて、次は子どもたちが自分のことを振り返っていきます。

しくじり先生の話には、今の自分が思い悩んでいることのヒントがたくさん。その気づきから、真似してみたいこと、自分の状況だったらどんな行動ができるのか、考えていきました。

 

 

 

 

例えば中学2年生のAちゃんの感想。

「こわいって思った人でも、いいところを見つけて少しずつでいいから声をかけてみれば、うちとけることがわかった。こわいからって、変な顔をしたりしないで、笑顔で優しく声をかけるのが1番だということ。」

と、素直な気持ちを書いていました。

 

中学1年生のYくんは、3月までにやりたいこととして、「相手の意見を聞く」「授業での発言」「はずがしがらない」の3つを挙げてくれました。

 

子どもたちは、しくじり先生の話を聞いて、これから真似していきたいこと、行動する勇気を持てたことをたくさん話していました。

 

 

■しくじり先生の企画を通して伝えたかったこと

 

 

今回の企画は、日頃からカタリバを支援してくださっている株式会社ウィルグループとの共同企画でした。コラボ・スクールでは、これまでにも人材サービスの事業を行っているウィルグループの方々と協働し、キャリア教育プログラムを行っています。

 

卒業後の進路選択はもちろん、中学生になってぐんと増える「自分で考え、決断し、行動していく」ということ。きっとこれからあらゆる場面で選択・行動していく中で、たくさんの失敗や成功を経験するでしょう。

 

失敗を恐れず、素直に思ったことを伝えてほしい。

たとえ失敗しても、それを学びに変えてほしい。

そしてうまくいった時には自信にしてほしい。

そんな思いを込めて、今回「しくじり先生」として、ウィルグループの方々にお話いただきました。

 

本番前に練習する「しくじり先生」のみなさん。

 

 

後日、ウィルグループの方からいただいたコメントです。

「私たちにできることは限られています。でも、できることは全力でしたいと考えています!!
しくじり経験と教訓を伝え、一緒に将来をイメージする場をつくることは、生徒さんの将来にとって、ポジティブなきっかけになるはず。
そんな思いから、カタリバ様と協力して、しくじり先生を行っています。
今回で第7回を迎えましたが、これからも継続していきたい大切な活動です。」

 

そして、この企画を終えた次の週、ある中学1年生の生徒からしくじり先生へ宛てて、こんなメッセージがありました。

「しくじり先生の話を聞いて、そのことを実際にやったら友達も増えたのでよかったです。感謝しています。」

 

子どもたちがそれぞれ悩んでいること、がんばっていること。

それはきっと自分だけじゃなく、多くの人が似た経験・思いを抱いていたことがあるはずです。子どもたちが前向きな気持ちになれるように、背中を押された子どもたちが一歩踏み出せるように、これからも応援し続けます。