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【レポート】「3.11を学びに変える旅」〜立命館高等学校の場合〜

2017.1.17

はじめまして。現在NPOカタリバでインターンシップをしている高橋奎(けい)と申します。今回は、2016年12月22日に行った「3.11を学びに変える旅」に参加した立命館高等学校の生徒たちが、旅を通してどう変化していったかについてご紹介させていただきます。

写真①

■大川小学校と高校生の出会い

ときおり体を押されるほどの強風の中、大川小学校に京都から高校生が到着。 はじめに供養塔に手を合わせてから、佐藤敏郎先生によるガイドはスタートしました。地震前の大川小、地震当時の大川小、そしてあの日の51分間の出来事。写真を用いながら語る佐藤先生の一言一言に、生徒たちは真剣に耳を傾けていました。

写真②-2

「救えた命、救うべき命、救って欲しかった命、それでも救えなかった命」
2011年3月11日 大川小学校では、津波から逃げ遅れた児童74名と先生10名の尊い命が亡くなりました。津波が到達するまで51分間もの時間があったにも関わらず、1分で逃げられる校舎の裏山になぜ移動することが出来なかったのか?佐藤先生の言葉や表情から溢れ出る想いに触れながら、現場となった校庭で当時の児童や先生のことを想い、涙する生徒もいました。

「亡くなった生徒と先生のことを思うと胸が苦しくなる」
「どうして救えなかったんだろうか?」
様々な考えを巡らせながら、慰霊碑に一人ずつ手を合わせていました。20分間の自由視察の時間では、佐藤先生に質問する生徒もあれば、1人で考え込む生徒も。思い思いの時間を過ごしていたようでした。

写真③

■あの日のことから自分たちが学べること

簡単には噛み砕けない感情を抱きながら大川小学校を後にした生徒たちは、場所を近隣の会議室に移し、大川小学校のことについて考えるワークショップを行いました。

「大川小のことについて明確な答えはないです。みんなで考えていきましょう」「震災のことだけでなく、大川小学校から日常に繋がる学びを得ましょう」

佐藤先生が事実を再度整理した上で、質疑応答を交えながら「なぜ救えなかったのか」ということについて、全員でディスカッションが始まりました。その過程の中で、生徒からは次々に質問が出てきました。
「マニュアルがあったのか?」「どのくらいマニュアルは細かいものなのか?」「避難訓練はどのようなものだったのか?」防災について話しながらも、話はだんだんと人としての本質をつくものになっていきます。「想定外の時に、冷静な判断ができるのか」「遠慮して意見が言えなかった経験はないか」
生徒は大川小学校を通して、自分自身に向き合い始めました。だんだんと深まる質問と佐藤郎先生との対話。子どもの立場・先生の立場、保護者の立場など、それぞれの立場から考察を繰り返し、いつしかワークシートはメモでびっしりと埋め尽くされていました。

写真④

ワークショップの最後は、「約束カード」にここでの学びを通して忘れたくないと思ったことを記入する時間に。「自分の意見を周りに発信してみんなで高め合っていきたい」 「自分の意見を大切に、周りの意見にも耳を傾ける」 大川小学校で起こったことを震災の悲しい出来事として捉えるだけでなく、起こってしまった出来事を学びに変えていった様子が伺えました。

写真⑤

ワークショップの中で、ある生徒が発した言葉が印象的でした。 「はじめどんな研修になるかわからなくて、不安だったけど、いざ大川小に行くと、伝わってくるものがすごかった。京都にいたら絶対わからなかったものすごくあって、私が泣くのもおかしいのだけれど、小学生が亡くなったこと、先生が亡くなったことを絶対私たちは忘れてはいけないと思うし、それを活かして生きていくのが私たちの世代だと思うので、それを絶対心に決めて京都に持ち帰りたいと思います」。涙で時折言葉を詰まらせながらも、力強く語る言葉から「自分もこの出来事の当事者なのだ」という意識がひしひしと伝わってきました。

■日常生活に繋がる「当事者意識」

今回、旅行に同行して感じたことがあります。現地に行って体験者の話を聞き、それについて「語り合う」ことで初めて、震災が「自分ごと」になるということです。現地を訪れるだけでは得られないものがあると改めて知ることができました。また、大川小学校について学ぶことは主体性を育むことだとも感じました。自分から発信したり、変えていくことの大切さを実感することで、自分や周りに対する当事者意識が芽生えていったように思います。

■「未来を拓く(みらいをひらく)」

大川小学校の壁には、かつての卒業生が書いた「未来を拓く(みらいをひらく)」という言葉が今も残されています。二度と大川小の出来事を繰り返さないためにはどうすればいいか。 起きてしまった事実をしっかりと受け止め、あの瞬間、そこにいた人の立場になって考えることで見えてくるものを学びに変えていくー。
一人ひとりが「あの日」に向き合い、「未来を拓く」ことがこれからを生きる私たちに出来ることではないかと感じています。

写真⑥

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【イベント開催のお知らせ】2/11(土) グッドプラクティスセミナー「震災直後の授業」から学ぶ

[日程] 2017年2月11(土)15:00-18:00 @高円寺コモンズ
[内容] 佐藤敏郎先生をお招きし、震災から6年経つ今、子どもたちに何が伝えられるかを考えます。
[詳細] http://www.katariba.net/news/2017/01/22505/
[お申し込み] https://goo.gl/forms/zcdYYWzKJNqUcYx53
※詳細は、03-5327-5667(担当:林)までお問い合わせください。

【ご案内】「教育旅行」- 3.11を学びに変える旅 –

実際に被災地域を訪問し、自分の目で見て、聞いて、グループで話し合うことから日常に繋がる学びを生み出す「教育旅行」。現在、導入していただける中学校・高等学校を募集中です。
[プログラム内容] http://www.katariba.net/class/trip/
[導入事例] http://www.katariba.net/teacher/intro/shounan/
[資料請求] https://goo.gl/forms/zcdYYWzKJNqUcYx53
※詳細は、03-5327-5667(担当:林)までお問い合わせください。

余震の不安と不自由な環境の中、
支援を必要とする子どもたちがいます。
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