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「自分は一人じゃないんだ」被災地の子どもと東京の大学生が出会った夏

2017.8.29


夏も終わりに近づき、東北には秋の足音も聞こえてきました。
8月の終わり、東京からカタリ場の大学生たちがコラボ・スクール女川向学館にやってきて、中学2年生と3年生を対象にカタリ場を実施しました。

カタリ場とは、子どもの意欲を引き出すことを目指したキャリア学習プログラムです。
「一生懸命何かを頑張ることは、ダサくないとわかった」
「こんなに自分のことを、話したのははじめて。うれしかった」
中学生にとって“ナナメの関係”にあたる学生や社会人との対話によって、心に火が灯ります。

今回東京からやってきた大学生は9人。普段は首都圏の高校生にカタリ場を届けているメンバーたちです。
はじめて女川に来るメンバーも多く、まずは町の今の様子や東日本大震災について理解を深めるために町に出てフィールドワーク。

「こんなに町が復興しているとは思わなかった」
「子どもたちは震災についてどう思っているのだろう」

その後は、子どもたちとどんなコミュニケーションとっていけばよいかを議論。
顔を見たこともない子どもたちを想像して思いを馳せます。


「自分が中学生の頃、どんな言葉をもらったら嬉しかったかな?」
「どんなことに悩んでいたかなぁ」
カタリ場に向けての準備は夜遅く深夜まで続きました。

そして迎えたカタリ場当日。

スタッフで円陣を組んで気合いを入れて、さあスタートです。

「こんにちは~!今日はよろしくね!」


「あだ名で呼んでいいかな?」
体育館のあちらこちらで車座ができ、カタリ場がはじまりました。

首都圏に住む子どもたちとっては、大学生は身近な存在かもしれませんが、ここ女川町に住む子どもたちにとって大学生は身近な存在ではありません。だからこそ、1回の出会いが子どもたちにとって特別な時間になります。
そしてそれは、大学生にとってもまた同じ。

普段、向学館では見せない表情をする子どもたちの様子を見て、向学館のスタッフも驚きます。

最初は少し緊張した様子でしたがすぐに打ち解け、笑い声が聞こえてきました。


次はセンパイの話の時間です。大学生が話す紙芝居形式のプレゼンテーションに、子どもたちは真剣な表情で耳を傾けます。大学生活で今打ち込んでいることや夢、進路選びの失敗談、昔の自分への後悔など、内容はさまざま。

本気で語りかける大学生の姿を見て、子どもたちも何か感じるものがあったようです。

「実は自分も同じようなことを悩んでいて・・・。」
センパイの話をキッカケに子どもたちが自分の本音を語りだしました。


年の近い大学生のセンパイにだからこそ話せる自分の本音。
「センパイも自分と同じようなことを悩んでいて、自分はひとりじゃないのだと思えた。」
「自分と同じ経験をしているけど、考え方は違っていて面白いなと思った。」


大学生のセンパイとの対話を通じて、子どもたちはたくさんのキッカケをもらいました。
授業の最後には、一緒に語り合ったセンパイと今日から出来る約束を結ぶ時間。

たった120分、人生で考えればほんの一瞬ですが、その一瞬の出会いによって人は、心が震えたり、自分が変わるキッカケをもらえたりします。子どもたちにとってこの日のカタリ場はどんな時間だったのでしょうか。

一夜明けて、とうとう大学生のセンパイたちが東京に戻る時が来ました。
お別れの時間、代表の子どもが大学生のセンパイたちに感謝の気持ちを伝えます。

「自分の本音を話せて良かったです。ありがとうございました!」

思わず笑みのこぼれる大学生たち。

ナナメの関係だからこそ、話せること。
たった一度きりの出会いだからこそ、打ち明けられることがある。
あの120分が子どもたちにとってどんな時間だったのか、それはきっと本当のことは本人にしか分かりません。
ただひとつあの場にいて感じたこと。
それは、誰でもないナナメの関係の「あなたと私」だからこそ話せることがある。ということ。

さあ、秋の足音も聞こえてきました。
今回のカタリ場でもらったキッカケを大切に、これからもがんばっぺし!

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