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震災を学びに変える「教育旅行」とは?

2016.9.21

はじめまして。カタリバ職員の林曜平です。
カタリバの新たな取り組みである「教育旅行」について、こちらのブログでご紹介していきたいと思っています。
第1回目となる今回は、「教育旅行」が始まったきっかけや活動を通して届けたいことなどをお伝えいたします。

■先生の思いをカタチに。「教育旅行」誕生のきっかけ

「震災のことを、今の子どもたちにも忘れてほしくない」
先生のこの一言から、カタリバの教育旅行は始まりました。カタリバにご相談くださったのは神奈川県にある学校の先生です。
研修旅行の機会を使って東北を訪れたいというご要望をいただき、カタチとなっていったのが「教育旅行」でした。
これまでにも同様のご相談はいただいてましたが、東北での活動に専念することを優先しており、その必要性を感じながらも実施には至らずにいました。しかしながら、震災から5年が経った今だからこそ届けることができる。そう判断させていただき、このタイミングでカタリバが対象にしている中高生に対してプログラム化することを決めました。

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■教育旅行が大切にしていること

「震災を通して、日常に繋がる学びを生み出す」
これが、カタリバの教育旅行で一番大切にしていることです。今の中高校生は震災当時は小学生でした。メディアの報道も少なくなっている中で、震災の記憶が薄れていってしまうのは当然のことかもしれません。
「被災地は悲惨だった」
「自分とは違う体験をしている人がいた」
これだけで終わらせないために。教育旅行では、震災を自分事として捉え、「学校に戻ったらこれをしていきたい」という行動目標まで落とすことを目指したプログラム作りを行っています。

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■地元との強い繋がりがあるから届けられる、充実のプログラム

カタリバの教育旅行は1泊2日で行われます。現地に入ると、まずは震災遺構である大川小学校を訪問します。案内してくださるのは女川町の元中学校教員である佐藤敏郎さん(以下:敏郎先生)です。大川小学校では震災後の津波により、児童74名の命が失われました。敏郎先生の娘さんも、ここで犠牲になりました。当時の状況を写真も交えながら説明し、その上で遺族でもある敏郎先生の想いに触れます。その後、場所を移して全員で2時間ほどディスカッションを行います。「子どもや先生はどんな心境だったのか」「どんな準備がされていれば良かったのか」生徒の状態に合わせて、適切な問いを投げかけていきます。この時間では「なせ救えなかったのか」を議論するのではなく、過去の事実から何を学びとるのかを大切にしています。夜には、震災後に「自分たちも地元のために何かできないか」と活動を始めた同世代の高校生と話す時間を設けています。彼らはカタリバが震災後すぐに立ち上げた放課後学校「コラボ・スクール」に通う生徒たちです。教育旅行参加者には、同世代が震災で何を感じ、それからどのように活動を始めて行ったかを知ることで、自分たちも未来に動き出すヒントを掴んでもらいたいと思っています。初日の最後にはまとめの時間を取り、旅行後に取り組みたい活動についてそれぞれのプランを具体化していきます。2日目は、学校ごとにご要望をお聞きし、様々なコーディネートをしています。自然の中で体験学習をしたり、町で演奏会を実施したり、地域の方のお話を聞いたりなど、地元との繋がりが強いカタリバだからこそできるプログラムの提供が可能です。

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過去の実施事例はこちらです。

■教育旅行実施校を募集中!まずはお気軽に説明会へ

現在、実施校を募集中です。修学旅行、研修旅行の機会はもちろん、先生が独自で募集型の旅行を企画している学校もございます。
まずはお気軽に説明会へご参加ください。

【参加無料】10月23日(日)「カタリバ教育旅行・校外学習」説明会

■日時:10/23(日) 10:00-11:30
■対象:中学・高校の教員の方、旅行代理店の方
■説明会概要:
 ・教育旅行/校外学習プログラムの概要説明
 ・実施高校の事例紹介
 ・事前見学ツアーのご紹介
 ※個別のご相談も受付します。ぜひ参加者同士の意見交換の場としてもお使い
  ください。
■定員:20名
■場所:カタリバ高円寺オフィス(JR高円寺駅より徒歩5分)
■お申込み:こちらからお申込みください。
※ご参加できない方には資料をお送りします。上記フォームよりお申込みください。

【教育旅行に関するお問い合わせ先】
担当:カタリ場事業部 林 曜平
電話:03-5327-5667(平日10:00~19:00)
メールアドレス:y.hayashi@katariba.net